2024年2月27日火曜日

オイルパステルは酸を含まない

あるオイルパステルの本には、オイルパステルに含まれるオイルには酸が含まれており長い間には紙を酸化してしまうので、それを防ぐためにジェッソで下地を作るよう書いてあります (“Oil Pastel, Materials &Techniques for Today’s Artist” by Ken Leslie. (2015). p49-51.)。しかしそれだけの手間をかけるとオイルパステルの手軽さがなくなります。

ところが、『クレパス画事典』株式会社サクラクレパス出版部(2005年)によれば、クレパスの液体油は石油系の油である流動パラフィンであり、品質面で安定した物質だと書いてあります(p99〜102)。パラフィンについてはウィキペディアでも化学的に安定していると書いてあります。

したがって、少なくともクレパスの液体油は酸を含みません。クレパスは1951年以前は椰子油を使っていたそうで(前掲書)、椰子油にはラウリン酸が含まれるため、冒頭に掲げた書籍の著者が言う「オイルに含まれる酸」というのは、現在は使われていない椰子油中のラウリン酸のことかと推測します。

なお、”Beginner’s Guide to Painting with Oil Pastels”by Tim Fisher (2019). p9には、現代のオイルパステルはacid-free でどのような基底材にも理想的だと書いてあります。
また、”Oil Pastel for the Serious Beginner” by John & Sheila Elliot (2014). p11 にもacid-free oil と書いてあります。

2024年2月22日木曜日

シリコンシェイパーやフルブレンダーで混色し鋭い輪郭を描く

 シリコンシェイパー(またはカラーシェイパー、パステルシェイパー)が、欧米のパステル画の書籍には便利な道具として紹介されているのに、何故国内の画材店で売っていないのか、疑問に思っていました。
(例:”Painting Pastel Landscapes” by Jeremy Ford (2015), p21,  
“Beginner’s Guide to Painting with Oil Pastels” by Tim Fisher (2019), p14-15,   
“Pastel Painting Step-by-Step” by Margaret Evans, Paul Hardy and Peter Coombs(2020), p8.)

その疑問がネットを検索して氷解しました。画材ではなく、彫刻陶芸の工具だったんですね。「シリコンシェイパーブラシ」などの名称で国内でも販売されていました。さっそく買って試してみました。

シェイパーは混色、ぼかしのほか、パステルを紙の目に押し込んだり、鋭いエッジ作成にも使えます。

これがなければ描けないというものではありませんが、パステルの表現法を広げられる便利な道具だと思います。

カランダッシュのネオパステルは、シリコンシェイパーの他にも、色鉛筆用のフルブレンダーやペンシルブレンダーを使っても混色や、平滑で鋭い輪郭作成ができます。フルブレンダーでこするとパステルが紙の目に押し込まれ表面にはワックスがかかりますが、その上からオイルパステルで描けます。ただし他のブランドのオイルパステルでもそれが可能かどうかは確かめていません。
画像は私が今使っているペンシルブレンダーとフルブレンダーです。色鉛筆画を描いていた頃から使っていた物です。

バラ 水彩画

大きさ:A4